人々が集う大樹・商店街に建てられたツリーハウス

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都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r منازل
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日本全国において巨大なショッピングセンターが林立し、昔ながらの商店街というものは消滅しつつあります。東京都品川区西小山にある商店街もそのひとつ。そんなとき、商店街の住人のひとりであるm-SITE-rの建築家は自宅兼事務所の建替えを機に考えました。どうすればこの商店街に人を呼び込めるのか?建築家が出した答えは”都市のツリーハウス”を建てることでした。

外観

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r منازل

外観はこちら。一階は地域の住民に活用してもらうガラス張りのオープンスペースとし、二階以上は銅板の外壁に覆われた外観となっています。「地域の住民を巻き込み、思い出と記憶に残るものを建てたい。木々が長年かけて成長していくように、建築も成長していく過程を人びとと共に慈しみ、永久に成長を楽しみ続けるものを作りたい」という建築家の想いから建てられたこちらの住宅ですが、一見ツリーハウスという外観ではありません。それを知るために建設過程を見ていきましょう。

樹木のような構造体

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r منازل

こちらが建設途中の様子。まるで一本の大木のようです!いま見えている主構造はRC造、他の部分は木造となっています。実際の樹木と同じように核となる幹があり、それを軸に枝を伸ばすように各空間が繋がって展開する構造で、地下には根と呼ばれる構造体があり地上部を支えています。とてもコンセプチュアルでユニークな建物です。

開かれた交流の場

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r غرفة الميديا

一階のガラス張りのオープンスペースはとても入りやすい友好的な雰囲気です。さんさんと日光が差しいつも明るく、中の様子がよく分かるので通りかかる近隣住民と気軽に挨拶を交わしたり、子ども達が遊びに来たりというように、地域に開かれた交流の場となっています。そういった場がひとつあるだけで住民同士の交流が活発となり、その交流が商店街に新たな活力を生み出すのです。

ワークショップ

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r جدران

工事期間中には2日間ワークショップを開催し、地域住民老若男女700名が外壁の銅板に桜の刻印を作成しました。自身が手を加えた建築が街に建っているというのは誰にとっても嬉しく、誇りに思うもの。前を通りかかる度に眺め、友人知人に自慢したくなるというように、自身が関わった建物には愛着が湧き、それが地域全体への興味にもつながることでしょう。

リビングルーム

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r غرفة المعيشة

室内は幹を中心にスキップフロアで構成されています。独特の狭さや、枝のように伸びたコンクリートの梁、上階にいくにつれ広がりをみせる光の効果によって、実際に大きな木の下で暮らしているような感覚を与えます。こちらは最上階にあるリビングルーム。天窓から差す日光はまるで木漏れ日のようです。壁面収納を駆使して室内の立体感をそのまま楽しむことができるインテリアとなっています。猫たちにとっても格好の遊び場です。

​バスルーム

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r حمام

バスルームはどこか懐かしいタイル張りの空間。勾配のある天井ですが開口部があるので圧迫感なくリラックスした入浴タイムを楽しむことができます。洗面台はむき出しの構造のインダストリアルスタイルが魅力的。

和室

都市のツリーハウス, m-SITE-r m-SITE-r غرفة نوم

和室はモダンなデザインながらミニマルな設えが侘び寂びを感じさせる美しい空間。差し込む光が繊細な陰影を描き、独特の静けさを感じさせます。

都市に生まれたこのツリーハウスが地域に根付き、家族と地域住民が集まるより大きな大木となる頃、商店街の姿も変わることでしょう。

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