家づくりについて考える時つい間取りや内装に気を取られがちですが、敷地の特性や周辺環境を踏まえながら快適かつ魅力的な住空間のデザインを心がけるのも大事なことです。ATELIER O2の手がけたこの住宅は間口が狭く奥行きのある敷地に計画されたもので、実に巧く難点をドラマチックな空間に変換させています。
小高い山が見えるのんびりとした住宅地にある敷地は間口が狭く奥行のある少々扱いにくい形態ですが、角地という恵まれた環境にあります。2台分の幅のビルトインガレージを設けると敷地はほぼいっぱいで、細長い余白しか残らなかったため、あえて長いアプローチを建物に沿って配置し、訪れるひとを楽しませるようなドラマチックな演出を採用しています。「インダストリアルな雰囲気のサイクリストの家」も魅力的なアプローチ及びポーチのある住まい。是非ご覧ください。
なだらかに傾斜する敷地に水平に伸びるコンクリートのアプローチが豊かな表情を外観に添えています。ブラックの板金仕上げと木板の型枠で質感を出した打ち放しのコンクリートを組み合わせた外壁に加えて、玄関廻りは木の素材を採用し柔らかな雰囲気を添えています。またガラスブロックを使ったスリット状の明かり取りや庇に取り付けたルーバーがアクセントとなって変化のある表情を作り出し、長いアプローチを豊かに演出しています。
敷地の傾斜をそのまま建物の断面に落し込むことで、段差のある豊かな内部空間が生まれました。外からは閉鎖的な印象の住まいですが裏の山に向って適所に開口を設け、心地良い眺めと光を取り入れています。特にハイサイドライトはプライバシーを確保しながら採光を確保することができると同時にポエティカルな雰囲気をもたらし、空間を豊かに演出してくれるのでおススメです。メインの生活空間はキッチンからダイニングそして段差のあるリビングと続くシンプルな動線で構成。
オープンキッチンと繋がるナチュラルテイストのダイニングエリアです。緑の風景が見え隠れする絞り気味の開口が落ち着いた雰囲気を作り出します。キッチンと一体化した造作による収納とワークスペースを壁面に沿って設置し、限られた空間を最大限に活用。
ダイニングキッチンとは段差がありつつワンルームの空間として続くリビングです。屋根の傾斜がそのまま現れた高い天井が大らかな空間を演出。大きな開口を山の方へ向って設け、気持ちの良い景色とたくさんの光を取り入れています。センスの良いお洒落なインテリアも参考になりそうです。
建物の凸凹が豊かな住空間を作り出します。凹んだ部分にはリビングエリアとフラットに繋がるウッドデッキのテラスを配置。木製の開口を開ければリビングの延長として屋外空間を存分に楽しめます。間口の狭さを感じさせない変化に富んだ豊かな住空間が魅力的です。
こちらは趣味のコーナーとしての土間空間。自転車のメンテナンスにも使える多目的なスペースです。あえて下地材をそのまま見せた無骨な雰囲気が気分をあげてくれそうですよね。
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