周囲の環境に素直に沿った建築計画から生まれた二世帯住宅を紹介します。設計を手がけたのは沖縄に拠点を置く久友設計。緑豊かな自然の景観に対して開かれたこの住まいは、太陽光発電の施設も併設したハイブリッドソーラーハウス。自然を身近に感じながら異なる世代が程よい距離感をもって暮らす住まい、さっそく見てみましょう。
周囲には豊かな山や森が広がるのんびりとした場所にある広大な敷地に計画された完全分離型の二世帯住宅です。緑を背景にひと際目立つ白亜の邸宅は、道路側の開口を極力抑えめにしたシンプルなファサードとバランスの取れた造形が印象的。手前には5台分の車やバイクを駐車できるたっぷりのガレージを設けています。
建物中央あたりに玄関を配置。駐車スペースと繋がる屋根の一部をくり抜いて、空に向って開かれたポーチが素敵ですよね。南の島特有の植物と石積みの「ヒンプン」が優しく出迎えてくれます。
玄関を入ると視線はそのまま開口を抜け、反対側の森まで導かれます。最近は玄関周りににピクチャーウィンドウや坪庭を設け抜け感を演出するデザインが人気。広がりと明るさをもたらすアイデア、是非取り入れてみてはいかがでしょう。ホールにはたっぷりの収納と照明で演出する飾り棚を設け、充実したエントランスに。
エントランスを進むとワンルームタイプのLDK。道路側のファサードと対照的に大きな開口を設け、南の森側に開かれた開放感溢れる住まいを作り出しています。人工芝を植えたフラットな庭の向こうには太陽光発電装置を配置し、さらに奥には小高い山と森の風景が広がります。プライバシーを尊重した完全分離型の二世帯住宅ですが、庭空間を共有することで程よい関係性が生まれるプランを採用しています。「空と庭に繋がる心地良い二世帯住宅」も庭の風景を楽しめる住まい。是非ご覧ください。
リビングエリアはテレビ台の背後の壁を石張りにすることでアクセントをつけています。また天井には間接照明を設置しているので、その光で石の質感が浮かびあがり、異なる表情を楽しむことができます。LDKは軒下空間である「雨端」にフラットに繋がり、内外空間の距離を縮めることでより自然を身近に感じながら暮せるリラックス感溢れる住空間が印象的です。