木造軸組工法という言葉を聞いたことがあるでしょうか?在来工法あるいは伝統工法とも言われますが、日本の家づくりにおいて古くから取り入れられてきた工法です。そこで今回、木造軸組工法の魅力を紹介していきながら、それによってどのような住まいを実現することができるのか見ていきたいと思います。工法についても予めその特徴をよく把握しながら、あなたが理想とする家づくりを可能にしてくれるものを選んでいきましょう!
木造軸組工法とはそもそもどのようなものかについてまず紹介しておきましょう。この工法は、その名の通り、木造の軸を組んで建物の躯体を構成していくもので、柱や梁といった「線」でなる構造になります。分かりやすいように、これと対照的なツーバイフォー工法を見てみると、ツーバイフォー工法は建物の躯体を壁や天井・床といった「面」で構成していくものになります。それでは、次から木造軸組工法の魅力について見ていきましょう。
木造軸組工法の魅力としてまず挙げられるのが、この工法を手掛ける建設会社が多いことです。伝統的に昔からこの方法によって多くの建物が建てられてきたため、自然と在来工法を手掛ける業者も数多くあります。在来工法で住宅を施工できる業者が多いことに施主としてどのような魅力があるのかと言うと、選べる業者の数が多いことで、よりあなたの住まいづくりに適した会社であり、あなたが信頼できる会社をこだわって探していけるようになります。
柱や梁などの線材で躯体をつくり上げていくことから、大きな開口を設けやすいことも木造軸組工法の魅力の1つであります。近年は、耐震性を強化するために、壁を増やしていく傾向があるようですが、ツーバイフォー工法と比較すると、開口をより大きく開けること、さらには開口を開ける場所もより自由度が高くなる工法になります。外にきれいな景色が広がる住まいや、庭と室内とのつながりを良くしたい方にとってはおすすめの工法になります。
写真:624PHOTO村田雄彦
【大開口については、こちらの記事でも紹介しています】
大開口を設けやすいことと同様の理由で、間取りの自由度が高いことも在来工法の大きな魅力となるでしょう。これは、ふすまのある伝統的な日本の住宅を見てみると分かりやすく、ふすまを閉じれば部屋を細かく仕切ることができ、ふすまを開けたり取り除けば1つの大きな部屋にすることができます。ふすまでなくても、設計の段階で壁を移動させたり取り除くなどの変更を行っていきやすい工法となります。
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壁を比較的自由に取り除くことができるということは、改築の際にも間取りの変更などを行いやすくなります。将来、リノベーションをしていく際に、仕切られている部屋を1つの大きな部屋にしたいといった要望を実現しやすい工法となりますし、特に中古住宅をリノベーションしていく方にとっては、古い住宅でよくある部屋が細かく仕切られている物件でも、壁を撤去し開放的でモダンな大きな部屋にしていくことを可能にしてくれます。